カイゼンカメラSopak-Cがどのような経緯で開発されたかをご紹介します。
2006年、超少量多品種の板金製造を行っている当社は生産拡大のため白山市の現工場へ引っ越ししました。
工場の規模が大きくなったことで受注が増加し、現場に流れる製品の数が増えてきたある日、 台車を買っても買っても足りなくなる問題が発生しました。
管理者は工場を歩き回りましたが、なぜ不足するか特定には至りませんでした。
製品数に対して十分な量があり、足りなくなるはずはないのに足りていないことから「誰か盗んでいるのでは?」とまで言う管理者まで出てきました。
そこまで言うのならと防犯も兼ねて最終工程である出荷工程に一台のネットワークカメラを設置してみました。
録画を見ると、あれだけ現場を見て回っても気づかなかった台車不足の原因が見えてきました。 台車は日によって目まぐるしく増減しており、台車のムラと歩留まりの悪さが明らかになったのです。
原因が分かったので、すぐさま出荷工程に「台車が5台溜まったらすぐに先頭工程に移動する」などのルールを追加しました。 それにより台車の不足が解消。
ネットワークカメラの設置によって、管理者を深く悩ませた問題が解消できたのです。
出荷工程での成功から他の工程でも役に立つのではと、数台ずつカメラを増やしていきました。
すると、台車以外のハサミやガムテープなどの備品でも過不足や配置の悪さなども明確に見えてきて、 長い時系列が見られるようになったことで次々と問題点を発見できるのだということに気がつきました。
また、以前は人の目がないところでサボりがちだった一部の外国人研修生がとても真面目に仕事し始めるという思いがけない効果も出始めました。
経営者も録画で見て残業している社員や夜間作業者が一人でも一生懸命作業している様子に感動し、 今ままでいかに見えていなかったのかということに気づき、 もはやカメラなしでは工場を経営することはできないという考えに至りました。
社内でネットワークカメラを使っていくうちに記録データを見ることに手間取りを感じたことから日常的に気軽に閲覧できる仕組みの必要性を感じ、 より気軽に閲覧できるシステム「カイゼンカメラSopak-C」を開発しました。
実際に社内の現場で利用する工程管理者などの声もフィードバックし、より気軽にサクサクと閲覧できるシステムになりました。 社内での利用で十分な手応えを感じたことから、カメラ活用した生産を日本の製造業の皆様にも広めていきたいと、2011年にシステムの外販を開始しました。
今後もSopak-Cは利用者の使いやすさを取り込んだ開発をしていきます。